医薬品を製造する企業は、製薬会社と呼ばれ、国内では医薬品製造事業所は大手から中小あわせて約2000社あるといわれています。
医薬品専門の専業企業のほかに、化学,食品などの異業種から医薬品業界に参入した兼業企業や、外資系企業などがあります。
新薬を開発する研究所や大規模な製薬工場を持った製薬会社から有効性や安全性が実証されてきた新薬と同等と認められた低価格なジェネリック医薬品(後発医薬品)を製造する会社や他分野の企業や同業企業から医薬品の受託製造やOEM供給をする会社などがあります。
医薬品は「薬事法」により製造から流通、使用まで各過程で厳しい管理基準が定められています。製造環境も工場の建物や機械設備の配置まで安全基準が設けられています。
医薬品の製造では、品目ごとに品質標準書が作成され、これらの管理を実践することで、薬を高品質かつ安定して製造することができます。
品質を保つため工程管理は厳しくチェックされ、製造ラインの監視や調合、医薬品の小分け・包装作業など決められた手順に従って規制基準を厳格に守ることが求められます。
製造した医薬品の保管・出荷・配送にあたってもそれぞれの段階で温度・湿度・光の影響まで管理されています。
製薬業界の仕事は、大切な命に関わる仕事のため景気に左右されることの少ない職種です。製薬工場内での主な仕事は、生産工程の管理になります。製造ラインでの品質管理や原材料管理、製造された医薬品の包装管理など。
製造管理や品質管理にはGMP「Good Manufacturing Practice」という基準を設けられているので、GMPのガイドラインを遵守し、常に点検を行います。
品質管理にはライン工程から次々と製造される薬をしっかりと目視検査し、集中力をもって作業にあたります。梱包作業も機械を使うこともありますが、手作業で薬を秤量し、梱包することもあるので正確に実行することが何より求められます。