半導体は、電子機器になくてはならない物質で、高度情報社会の発展は、半導体技術の進歩に比例しています。
半導体が先端技術製品であると同時に、それを作る半導体工場も先端的な技術やノウハウ、システムの凝縮された場と言えます。半導体は、記憶装置であるメモリーや演算装置であるマイクロプロセッサー、発光ダイオード、さまざまな機器で使われるセンサーなど用途は多岐にわたります。
私たちの生活の中で、パソコンはもちろん、スマートホンなどの携帯情報端末から家電製品、自動車、電子マネーにいたるまで、あらゆる分野で半導体が使われています。
半導体産業は、細分化されており、設計・製造だけを行う会社、製造・検査装置を作る会社、材料供給する会社などが専門的に製品やサービスを提供し合い、大きな産業を構成しています。
特に、半導体製造を行う工場では、ほとんどの工程がオートメーション化され、その機器のオペレーションが主な仕事になります。工場内の作業環境は、湿度や温度が一定に保たれた中で防塵着を着用し、厳しい品質管理の中行われます。
また、半導体素子製造の材料であるウェハーの製造機器を決められた手順通りに操作したり、製造されたものが外観見本と比べおかしな所がないか顕微鏡を使って目視検査や装置のメンテナンスを定期的に行ったりします。
半導体産業はグローバル競争の激しい分野で、70年代に半導体を開発した米国から80年代は日本、そして韓国、台湾と激しくシェア争いを繰り広げてきました。
かつて日本メーカーが市場を席巻できたのは、技術開発から生産までを自社内で一貫して手がける「垂直統合モデル」を採用したことが関係しています。
現在の半導体産業は、製品のコモディティ化が進み、安価な海外製品が市場を独占しているため、これらに対抗するには新しい製品の機能・性能の研究やアプリケーション開発との擦り合わせで差異化を図ることが必要です。
現在では、国内の業界再編が進み、日本の半導体の競争力回復に期待がかかっています。