1台の自動車は小さな部品を合わせると約2万~3万点の部品で組み立てられています。
自動車メーカーはそれらの部品をすべて製造・生産しているわけではなく、国内はもとより世界中にある協力会社とともにつくられています。メーカーが外注加工に出すものや、その他の完成した構成部品(タイヤ、バッテリー、エアコン、オーディオ機器など)を外部調達しています。
自動車部品会社では、各パーツの専門知識をいかして部品の開発や改良に日々取り組み、日本車の品質向上に貢献しています。激しいグローバル競争にさらされている分野ですが、特定分野で集中的に強みを発揮している企業も数多くあるのが日本の部品メーカーの強みです。
日本自動車部品工業会の分類では、
①エンジン部品、②電装品・電子部品、③照明・計器など電気・電子部品、④駆動・伝導及び操縦装置部品、⑤懸架・制動装置部品、⑥車体部品、⑦用品、⑧情報関連部品
の8種類からなります。
国内には、一次部品企業(ユニット・機能部品・内外装品など)が約800社、二次部品企業(単一部品・プレス・金型鋳鍛造品を一次部品企業に供給)が約4,000社、三次部品企業(金属部品・樹脂部品を二次部品企業に供給)が約20,000社あり、合計すると25,000社から構成されています。
地域としては、自動車メーカーのある工場周辺地域(愛知県や神奈川県、静岡県など)に集中していますが、特定部品では地方にも大きなシェアを持っている企業もあります。
自動車部品製造企業は日本メーカーだけではなく、世界の自動車部品調達先にもなっています。
欧米のようにM&A(合併・買収)によるメガサプライヤーが少ない日本が、品質面で極めて高い水準を供給できるのは、国内自動車メーカーの高い要求に応え、製品開発と品質管理、納期遵守を徹底して激しい企業間での競争に勝ち抜いてきたからです。
特に、特定部品の世界的な部品寡占度も高く、パワステ、空調機器、ワイヤーハーネス、ランプ、メーター、燃料噴射装置、エアバッグ、ピストンリングなどでは上位に位置しています。