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製造業で働く人にとって役立つ資格はたくさんあります。
資格を取得していることで仕事の幅が広がったり、資格手当がついて収入が増えたりするなど、有利に働く可能性も。
製造業で働く人、これから働こうと考えている人のために、製造業・工場勤務に役立つ資格について解説します。
製造業で働くにあたり、資格を取得しておくとよいのはなぜなのでしょうか。 資格が役立つ・有利になる理由を解説します。
資格取得によって資格手当がつき昇給したり、任される仕事の幅が増えることで昇進したりすることもあるでしょう。
資格がなければできない仕事も多く、資格手当を用意している会社も少なくありません。
また、正社員に限らずアルバイトや派遣であっても、資格がある人の方が時給は高くなる傾向があります。
資格を取得するための勉強は、知識やスキルの向上につながります。
実技試験のある資格であれば、資格取得のための勉強を通してスキルを身につけることもできるでしょう。
同じ知識を持っていても、自分で「できる」というのと、第三者がスキルを証明してくれるのとでは印象が異なります。
資格によって一定以上の知識やスキルがあることを客観的に証明でき、信頼度も上がるでしょう。
また、資格を取得しようとする姿勢や向上心が評価されることもあります。
転職の際、資格の有無で評価が大きく異なる可能性もあります。
製造業界で一般的に知られている資格なら会社を問わず通用するため、転職に有利になるといえるでしょう。
資格の有無だけでなく、資格を取得するほど仕事に熱心であることも転職の際のアピールポイントになります。
製造業・工場勤務で役立つ資格で代表的なものをご紹介します。
まずは、機械関連業界で代表的な資格、取得しておくと役立つ資格です。
工場で危険物を貯蔵したり、危険物を取り扱ったりする際に必要な資格で、取り扱う危険物の種類によって甲種・乙種・丙種の種類があります。
【受験資格】
乙種・丙種…誰でも取得可能
甲種…次のいずれかを満たす人のみ受験可能
・大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
・大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者
・乙種危険物取扱者免状を有する者
・修士・博士の学位を有し、科学に関する事項を専攻した者
【試験費用】
甲種…6,600円
乙種…4,600円
丙種…3,700円
【試験の概要】
甲種 | 乙種 | 丙種 | |
試験時間 | 2時間30分 | 2時間 | 1時間15分 |
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試験方式 | マーク・カードを使う筆記試験のみ | ||
五肢択一式 | 五肢択一式 | 四肢択一式 |
【試験や資格取得の難易度】
試験科目ごとに60%以上の正答率が求められます。
危険物を扱う国家資格であるため難易度は高めであるといえるでしょう。
工場に設置されている機械のメンテナンスにかかわる資格で、機械系保全作業・電気系保全作業・設備診断作業などの種類があり、3級~特級までのランクがあります。
【受験資格】
実務経験年数によって受けられるランクが異なります。
等級…受検に必要な実務経験年数
特級…1級合格後5年以上
1級…7年以上
2級…2年以上
3級…問わない
【試験費用】
受験内容によって、試験費用は次のように変わります。
学科試験・実技試験両方の受検…19,400円
学科試験のみ受検…4,000円
実技試験のみ受検…15,400円
【試験の概要】
学科試験 | ||
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等級(作業) | 試験時間 | 試験方法 |
特級 | 2時間 | マークシート五肢択一式 |
1級(全作業) | 100分 | マークシート四肢択一式 |
2級(全作業) | 100分 | マークシート四肢択一式 |
3級(全作業) | 60分 | マークシート真偽法 |
実技試験 | ||
等級(作業) | 試験時間 | 試験方法 |
特級 | 150分 | マークシート方式 |
機会保全作業1~3級 | 1・2級80分 3級70分 | マークシート方式 |
電機保全作業1~3級 | 110分 | 作業採点・一部マークシート方式 |
設備診断作業1~2級 | 1級100分 2級80分 | マークシート方式 |
【試験や資格取得の難易度】
試験科目ごとに60%以上の正答率が求められます。
危険物を扱う国家資格であるため難易度は高めであるといえるでしょう。
機械加工に使用する工作機械や切削工具で金属加工をするスキルを証明する資格です。現場でのキャリアアップを目指すなら、取得しておくとよいでしょう。
【受験資格】
特級…1級合格後5年以上の実務経験
1級…・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験
2級…実務経験2年以上、または3級合格者
3級…誰でも受験可能
ただし、1級・2級は学歴によって必要な実務経験が異なります。
【試験費用】
学科試験…3,100円
実技試験…16,500円
【試験の概要】
学科試験と実技試験があり、等級によって求められる知識・技術が次のように異なります。
特級…管理者、監督者に必要な技能
1級…上級技能者に必要な技能レベル
2級…中級技能者に必要な技能レベル
3級…初級技能者に必要な技能レベル
【試験や資格取得の難易度】
学科試験60%、実技試験65%以上の正答率が求められる国家資格です。
初心者レベルである3級は、比較的簡単に取得できるでしょう。
食品製造業界ではどうでしょうか。
取得しておくと有利に働く資格をご紹介します。
食品が衛生的な環境で製造・調理するため、食品製造施設ごとに1名の食品衛生責任者を置くことが義務付けられています。
【受験資格】
原則として誰も受験可能
【試験費用】
1万円前後
【試験の概要】
各都道府県の食品衛生協会が主催している講習会を受けることで取得できます。
【試験や資格取得の難易度】
講習会を数時間受けることで取得できるため、比較的簡単に取得できる資格です。
品質管理に関する知識レベルをはかる資格で、4級~1級までのレベルがあります。
【受験資格】
基本的に誰でも、どのレベルからでも受験でき、併願も可能です。
【試験費用】
1級…9,900円
2級…5,500円
3級…4,400円
4級…3,300円
1級・2級併願…13,860円
2級・3級併願…8,910円
3級・4級併願…6,930円
準1級と認められた人が1級を受験する場合…9,350円
【試験の概要】
等級(作業) | 試験時間 | 試験方法 |
1級 | 2時間 | マークシート・論述 |
準1級 | 2時間 | マークシート |
2級 | 90分 | マークシート |
3級 | 90分 | マークシート |
4級 | 90分 | マークシート |
【試験や資格取得の難易度】
各級の難易度目安は次のとおりです。
4級…これから品質管理に携わろうとする人、品質管理初心者
3級…QC7つ道具を理解しているなど、品質管理に関する知識がある人
2級…QC7つ道具を使って品質問題を解決できる人、小規模な集団などで改善活動をリードしている人
1級・準1級…企業内で品質管理全般に携わる人
国家資格から民間資格まで、製造業・工場勤務で役立つ資格にはさまざまなものがあります。
資格取得によってスキルアップや昇給につながったり、より良い条件の会社へ転職できたりする可能性もあります。
さまざまな場面で有利になるため、できれば資格を取得しておくとよいでしょう。
ただし、工場勤務で求められる国家資格や職務に直結する資格などでなければ、評価されない可能性もあるため、どの資格を取得するかはしっかり見極めてください。